どうもLibraです。
今回は2021年夏アニメの覇権タイトルとして名を馳せた「Vivy -Fluorite Eye’s Song-」の原案小説である「Vivy prototype」の1巻を読んだので、それらの感想を語っていこうと思います。アニメ版と比較しつつ重要なネタバレはしない方向性で書いていきます。
下に「Vivy -Fluorite Eye’s Song-」公式サイトのリンクを貼っておきます。
オリジナルテレビアニメ「Vivy -Fluorite Eye’s Song-」2021年4月放送決定!…
概要
【書籍情報】
原案小説「Vivy prototype」本日発売。もう一つの「Vivy」の世界をご堪能下さい。
これは<私>が<私>を滅ぼす物語――
著:長月達平・梅原英司
装画:loundraw▼あらすじ・詳細はこちらhttps://t.co/ysweVIhoeJ#ヴィヴィ pic.twitter.com/pdVbORLkTd
— 「Vivy -Fluorite Eye’s Song-」(ヴィヴィ-フローライトアイズソング-)公式 (@vivy_portal) April 30, 2021
著者 | 長月達平・梅原英司 |
出版社 | MAG Garden |
発売日 | 2021年4月30日 |
ページ数 | 345 |
ISBN | 978-4-8000-1064-3 |
あらすじ
『Vivy -Fluorite Eye’s Song-』の全体あらすじ
国内最大級のテーマパーク『ニーアランド』で稼働するヴィヴィは、歌姫としてだけでなく史上初の自律人型AIとして知られていた。ある日、未来から来たというAIのマツモトに100年後、人類はAIに滅ぼされることを知らされ、この未来を回避すべく、共に『シンギュラリティ計画』に協力してほしいと要請される。
100年かけてヴィヴィとマツモトはAI史における歴史的転換点『シンギュラリティポイント』と呼ばれる時代で、未来の戦争を回避すべく歴史の修正を行っていく。
1巻あらすじ
1巻ではAI命名法・落陽事件について描かれています。ストーリー展開についてはアニメ版と大きな違いはありません。
1巻キャラクター
ディーヴァ/ヴィヴィ(CV:種﨑敦美)
ニーアランドで稼働する史上初の自律人型AI。正式名称はディーヴァ。シンギュラリティ計画の活動時にはヴィヴィと名乗っている。アニメ版では口調がカチコチでエモーションパターンも乏しいコミュ障AIだったが、小説版ではマツモトとキレッキレのやりとり(漫才)を披露している。時代が進むにつれて戦闘力が上がっていく。
マツモト(CV:福山潤)
100年後の正史から開発者の松本博士によって100年前の時代に転送されたAI。非常に饒舌で調子の良い丁寧口調が特徴。テクノロジーの進んだ未来から来ていることもあり、規格外の演算能力を持つ。シンギュラリティ計画の活動中は、高い演算能力を用いてヴィヴィとしての活動履歴の削除、改竄やあらゆる電子システムへのハッキングなど、サポートに回ることが多い。
霧島モモカ(CV:富田美憂)
ヴィヴィのファン。アニメ版では最古参のファンだったが、小説版のヴィヴィは最初から多くのファンがおりモモカはその一人。しかしヴィヴィへの情熱は小説版でも健在。
霧島ユズカ(CV:小原好美)
モモカの妹。「AI命名法」の時間軸では0歳だったが15年後、宇宙ホテル「サンライズ」にてヴィヴィと出会う。
柿谷ユウゴ(CV:新垣樽助)
反AI組織「トァク」の構成員。アニメ版ではメインヒロインとして大活躍したが、小説版でもそのポジションは譲らない。
相川ヨウイチ(CV:加藤将之)
「AI命名法」を推進している議員。「トァク」に命を狙われている。
エステラ(CV:日笠陽子)
シスターズと呼ばれるAIの一体であり宇宙ホテル「サンライズ」の支配人。花も恥じらう乙女であり優しく物腰柔らかな性格。シスターズの中では珍しく戦闘能力は常人並。
エリザベス(CV:内山夕実)
エステラの姉妹機として製造され、「双陽電子脳計画」の凍結と同時に破棄された。その後「トァク」に拾われ、そこでの活動を通して高度な戦闘能力を習得している。マスターのことが大好き。アニメ版では名言を残し密かな人気がある。
ルクレール(CV:山根綺)
エステラと共に宇宙ホテル「サンライズ」で働くAI。担当はハウスキーピング。お喋り好きで笑顔が素敵。
作中用語
シンギュラリティ計画
100年後の未来に起こる人類とAIの戦争を回避し、人類を救済するための計画。
シンギュラリティポイント
AI史において、未来に起こる戦争に繋がるとされる歴史的転換点。
正史/修正史
マツモトが開発された修正される前の未来の歴史を正史、これからシンギュラリティ計画によって修正される歴史のことを修正史と呼ぶ。
シスターズ
ディーヴァをファーストモデルとした歌姫AIの総称。きれいな声が特徴的なAIとして設計されているはずだが、ヴィヴィを始め何故か戦闘力の高い個体が多い。
アニメとの違い
ヴィヴィとディーヴァは2重人格
アニメ版では途中で別人格の「ディーヴァ」が生まれていましたが、小説版では最初からヴィヴィとディーヴァは別の人格として稼働しています(加えてディーヴァはヴィヴィの存在を知らない)。シンギュラリティポイントに到達するまでヴィヴィはスリープしており、シンギュラリティ計画の活動時にはディーヴァはスリープしているので、お互いにお互いの活動内容を知りません(ヴィヴィは自身のログを確認すれば知ることができますが)。
ヴィヴィは最初から人気者
アニメ版のディーヴァは最初は小さなステージで歌っていましたが、小説版のディーヴァは最初からメインステージで歌っているほどの人気者です。また、「ヴィヴィ」という名前は「ディーヴァ」という正式名称が与えられるまでファンの間で使われていた仮称であり、モモカ以外にも広く認知されていました。
個人的な感想
原作を読んでいて私が一番印象的に思ったことが、工学的な描写が細かく描かれていることでした。vivyの作者はリゼロの原作者とそのアニメの脚本を担当していた人たちで、リゼロといえば有名なファンタジー作品であり、vivyとはジャンルが全く違いますが、違うジャンルの作品を描いているとは思えないほどしっかりと作り込まれています。テクノロジーが好きな人は特に楽しめるんじゃないかと思っています。また、SF作品は設定上、専門用語が多用されがちですが、vivyではそこまで多くの専門用語が登場しない(上で紹介した用語を押さえておけば十分でしょう)ので、SF作品の中でも比較的読みやすい部類に入ると感じました。
まとめ
いかがでしたでしょうか。アニメ版と小説版の違いは上で紹介したものの他にもたくさんありますが、全ては紹介しきれないので今回は一部だけご紹介しました。原案小説の時点でかなりクオリティが高く、アニメの完成度の高さが伺える内容だと思います。アニメ版と小説版の差分を探しながら読むのも楽しいですが、個人的には工学的な描写が細かく描かれている点が好きですね。vivyの世界観を繊細に描いていて「すごいなぁ」と思いながら読んでました。
今回はここまでとなります。ここまで読んでくださった皆様、ありがとうございました。(ご清聴ありがとうございました)